2013 King’s Cup Jet Ski World Cup Grand Prix

 

開催日:12/7-9

開催場所:パタヤ、タイ

出場クラス: Pro Sports GP、  Pro Ski Open

 

結果

Pro Sports GP

Moto#1:4位

Moto#2:4位

Moto#3:DNR

Moto#4:DNR

 

Pro Ski Open

Moto#1:リタイア

Moto#2:リタイア

Moto#3:リタイア

Moto#4:リタイア

 

 

 

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        Pro Sports GP

今年も昨年同様マレーシアのスポンサー様からHXを用意してもらえるという話を受け、レースに参戦する事を決めました。しかし事前に聞いていた話とは沢山の事が異なっており、まさかこのような結果になるとはエントリー時点では思ってもいませんでした。

オーナーやメカニックを含め自分達はキングスカップウィークの月曜の夕方にPangkor(マレーシア)のレースからクアラルンプールへ帰ってきて、自分は火曜の早朝にタイに向けて出発をしました。一方オーナーは火曜の朝からアメリカから取り寄せていた新品のクランクと共にエンジンを組んで、慣らしをせずに予定通り火曜の夜にマレーシアを出発をしました。(マレーシアで一度も走らせて来てないのが一番の問題だと思いましたが...)しかしパタヤへの道中に、マレーシアとタイの国境付近で大事故が発生しタイへ行く道が封鎖されてしまったらしく、パタヤに到着したのがレースの始まる土曜の朝でした。それからはまともに慣らしをする時間もなく、まともなテストをすることもできずにスタートラインへ並ぶ事になりました。

 

迎えたMoto#1ではアウトコースの大外からスタートをし、どうにか1周目を6位で帰ってくることができました。その後は加速が悪いけどトップスピードの伸びるセッティングを生かしながら走り、自力で2艇抜いての4位でゴールとなりました。

 

次のMoto#2までにキャブの調整をしたものの、多少加速が良くなっただけで、ほとんど速さは変わりませんでした。今回もアウトコースからスタートをし、1周目を5位で通過しました。どうにか1艇を抜いて4位までに上がることができたものの、今回もそこから順位を上げる事ができずに4位でのゴールとなりました。

Moto#2終了後にオーナーが「加速を良くするためにコンプレッションを上げる!」と言いヘッドを外して内燃機屋さんに持っていきました。

 

翌日の朝までにそのヘッドを取りつけて早朝にテストをしてみたら、スライスをしすぎたせいでコンプレッションが上がりすぎた為に、ヘッドガスケットが抜けてしまいました。またそれと同時に持ってきているレース用ガソリンではオクタン価が足りない事も判明しました。ヘッドガスケットを探してどうにか他のチームから借りてこられたものの、オーナーがこのヘッドではエンジンにかかるリスクが高いと判断したためにMoto#3以降のレースの出場を断念させられました。

 

 

       Pro Ski Open

今年はタイのチームからのオファーがあり、「Pro Ski用に3台のS4を用意してあげるから出てくれ」と言われたため参戦を決めました。

タイには火曜の午前中に着き、すぐに船のテストをするためにチームが所有しているゲレンデに向かいました。到着後すぐにメイン艇を主にテストを始めていきました。当初は加速がとても悪くトップスピードもいまいちでした。オーナーやメカニックは「エンジンは新品のピストンやスリーブにしてるし、しっかり組んでるから大丈夫なはずだ!」と足回りのパーツを交換してテストを進めていきました。徐々に良くはなっていくものの、どうしても加速の立ち上がりだけはあまり改善されませんでした。次第に陽も落ちていき、最終セットが出たのは20時を回った頃でした。オーナーから「今は川だけど、レース会場の海で走らせると水の硬さも違うし後は現地で調整してください。」と言われ木曜に現地でテストをする約束をしてゲレンデから帰りました。

現地には木曜の朝に着き、チームが夕方の4時に着くというのでそれに合わせて会場に行きました。それからはメイン艇のテストを始めたものの、また加速が悪くなりました。その後は何度か足回りのパーツを変えていったもののあまり変わりませんでした。そこで2艇のバックアップ艇のテストをしてみると、こちらはとても調子よく仕上がっていました。そこでメカニックはメイン艇とバックアップ艇のエンジンの載せ替えを決めて作業を始めました。これは、メイン艇が軽量ハルで、操安性がとても良かったからです。全て仕上がって最終テストをしたのが夜中の3時過ぎ。どうにかレースに出れる状態になりました。

 

迎えたMoto#1では抽選でインコースの真ん中辺りになり、そこからスタートをしました。スタートのアクセルを握るタイミングは誰よりも良かったもののトップスピードで両左右から被されてしまい、水しぶきで何も見えない状態で1ブイを目指します。1ブイを曲がってからは周りの状況を判断しながら走り、ブイの近くを全開で曲がり続けインコースの3位で合流では6位でした。水面もあまり荒れてなかったため確実に順位を上げていける自信はありました。しかし2周目のバックストレートを走っているときに異変を感じました。少しでも波で跳ねると回転数が急激に落ちて吹け上がらなくなったのです。選択コースに入ってからは全く加速しなくなり、まともに吹け上がらなくなりました。その異変を感じつつも走り、3周目のバックストレートエンドでエンジンが止まってしまいました。その後はエンジンがかからずレスキューされて帰ってきて、マシンを陸に上げプラグを見てみると、海水がエンジンに入ったようで塩でプラグが白くなっていました。原因はアレスターの下のハルが割れてしまって海水が直接入っていったからでした。これでメイン艇のエンジンとハルが使えなくなってしまったので、これでバックアップ艇1艇のみとなりました。

 

Moto#2ではバックアップ艇に乗り換えてのレースでした。メイン艇から足回りのパーツをバックアップ艇に移したりなどをしていた為、スタートぎりぎり前にマシンが完成しました。スタートゲートに船を持っていくときに時々ステアリングが途中でロックしてそれ以上曲がらなくなるという事に気づき不安を感じメカニックに話したものの、「時間が無いからこれで行くしかない。」と言われたので止むを得ずアウトコースからスタートをしました。今回もタイミング良くスタートができたものの、1ブイ手前で左に曲がっていくためにステアリングをきったのに途中でロックをして予想以上に曲がっていかず、不意に波を受けてバランスを崩して転倒してしまいました。すぐに乗り込んで再スタートをしましたが、その後も何度もブイを曲がるたびに何度かロックし、アクセルをまともに開けられなくなってしまいました。3周目のホームストレート後のブイを曲がった時にはステアリングが左にしか切れなくなってしまい、Moto#2も完走できずにレスキューをされて帰ってきました。今回の原因はステアリングノズルのブッシュが壊れて無くなってしまったためだそうです。

 

翌日のMoto#3ではアウトコースからのスタートを上手く決め、アウトコースの3位で合流では6位でした。このヒートこそは1位まで上がってやる!と意気込んだものの3周目のホームストレートで突如アクセルが反応しなくなりエンジンが勝手に止まってしまいました。そして今回もレスキューをされて帰ってきました。今回は電気系のトラブルでした。

 

最後のMoto#4ではインコースからスタートをし、インコースの3位で合流では5位でした。「最後ぐらい完走をしたい!」と思って走っていた2周目のバックストレートエンドで、エンジンがロックして止まってしまいました。その後はセルもまともに回らずレスキューをされて帰ってきました。原因はピストンがバルブを叩いてしまったからでした。

 

 

        レースを終えての感想

沢山の応援をして頂いたのにも関わらず全く結果を残すことができずに申し訳ございませんでした。

「レースをしたかった!!」今大会はこの一言につきます。本当に悔しいです!! 悲しいです!!船が目の前にあるのにレースができない、一度も完走ができなかった、今までレースをしてきてこのような経験は初めてです。

しかし、悲しみをずっと引きずっていても何も変わらないので、次のレースであるUAEシリーズに向けて調整をしっかりしていきたいと思います。そして1月9日から始まるUAEシリーズ第1戦のアブダビではレースを楽しみつつも、今回の悔しさをバネにして優勝を取ってきたいと思います!

 

また、UAEシリーズは年明けになるため、今回のKing’s Cupが今年最後のレースとなりました。今年度もスポンサー様方のご支援・ご声援のお陰で全てのレースに参戦する事ができました!! また今年度獲得した、全日本選手権のPro Ski Openクラスでの日本ランキング3位と世界選手権のWorld FinalでのPro Ski Limitedクラスでの世界ランキング3位という結果は、共に持てる力での最高の結果であったと思います!! 但し今年度の結果にはとても満足したとは言い切れませんし、来年にはもっと良い結果を残すことができると自負しています。そのためにもまずは1年ぶりのUAEシリーズで修行を重ね、新年から良いスタートを切れたらと思います。

今後とも応援の程宜しくお願い致します!!

 

 

Team WPS Japan

小原 聡将

 

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