Thai airways International Jetski World Series 2019

 

 

Jetski World Seriesとはタイ航空がメインスポンサーでベルギー、アメリカ、タイの3つのレースでのポイントで総合チャンピオンを決めます。今回タイの最終戦へ参加をしてきました。アメリカのレースが終わった時点での僕のランキングは1位。なのでタイでは絶対に勝つ必要がありました。

 

 

タイには12月2日の朝に入り藤江メカニックによるマシン整備やタイの水面に合った足周りのセッティングをします。そして3日、4日はコースを走りコースのチェックやマシンのセッティングを確実にします。レースは5日から8日の4日間で行われ5,6はジュニアクラスやアマチュアクラスのレースが行われ、7,8はアマチュアクラスとプロクラスのレースが行われます。僕はPro Sports GPのプロクラスなので7,8にレースを行いました。

 

 

7日 Moto1

今回のタイにはアメリカの2人のレジェンドがスポット参戦してきたので走れる楽しみと自分が同等に走れるのかという不安の気持ちが混同していました。そしてレース当日グリッドの抽選にてアウトコースの一番外側でのスタートとなりました。スタートタイミングは抜群で大外から全員まくることができアウトコース側は1位がレジェンドのマック選手で2位が僕でした。インコース側はもう一人のレジェンドのファージング選手とタイの英雄セッツーラ選手でした。そしてインコースとアウトコースの合流で僕の順位は4位でそのまま10周を走り何回か順位入れ替わりがありましたが4位でゴールしました。

 

 

Moto2

インコース側にダスティン選手でアウトコース側にマック選手、セッツーラ選手、僕でした。moto2は僕を含めたほとんどの選手がフライングでのスタートだったのでデットエンジンスタートでした。デットエンジンスタートからアウト側5位ぐらいまであがることができたのでこの調子でどんどん抜いていかなければいけないなと考えていました。ですがバックストレートから最終コーナーをターンしかけていた瞬間に斜め後ろから選手にぶつけられクラッシュしてしまいました。そして自分は吹っ飛ばされ少し気を失ってしまい、レスキューされて気が戻りチームテントの方に連れてかれようとしたのですが、走れるからマシンのとこに戻ってほしいと何回も訴え、マシンのとこに戻してもらいマシンにまたがりました。ですが、右足には激痛が走り乗れないと考えてしまいました。しかし自分は現在シリーズランキング1位でシリーズチャンピオンに大手がかかっていたので絶対に走り切って最低のポイントでももらってやると思いなんとか走り切りポイントをもらうことができました。レース終わった直後に乗っていたとき以上の激痛で立つことも歩くこともできなかったのでそのまま担架に乗せられ救急車で病院に運ばれました。診断結果はレントゲンでは骨への異常はなく太ももの筋肉が緊張して固まってしまい骨盤が強度の打撲とのことでした。痛め止めの注射を打ってもらい入院を勧められましたが帰ることを選択しその日は松葉杖と車イスでの生活でした。ホテルでの鏡で松葉杖をついているみじめな自分を見た瞬間にすごく悔しく、悲しくなり無になってしまいシリーズチャンピオンは諦めていました。

 

 

8日 Moto3

自分がこんな状態だったのでチーム員もあきらめかけていましたがもしかすると僕の怪我が少しでも治り走れるかもしれないということを信じて走れる環境を作ってくれていました。それを見た僕は自分が諦めてどうするのだと思い悔いが残らないように走ることを決意しました。実際少しけがもよくなっていたのでいけると思いました。絶対期待を裏切ってはいけないと思いレースに挑みました。
Moto2の順位が悪かったためグリッド最悪のポジションからのスタートでしたがアウト2位まで上がり合流4位まであがりそのままフィニッシュすることができました。シリーズのトップ選手達がマシントラブルやクラッシュしてしまったので自分のランキングがタイでの総合ランキング4位まであがることができました。そしてMoto4は安定に走りきればシリーズチャンピオン確定となったのでタイのレースでいい成績残すために攻めたかったとこですが、足のけがやシリーズチャンピオンを優先という作戦にシフトしました。

 

 

Moto4

グリッドは一番接触が少ないところを選択して攻めすぎず守りすぎずという走りで5位でフィニッシュしました。

レース結果はタイでのレースは総合5位。そして一回は諦めたシリーズチャンピオンになることができました!!
けがにより諦めかけた世界チャンピオンという夢が叶いチームと大喜びしました。みんなレース直後は泣いたり笑ったりしてくれて最高に幸せでした。そして表彰式で自分の名前が呼ばれて最高の表彰式で最高のトロフィーをもらったときから景色は最高でした。そして表彰台から降り家族、メカニック、チーム員、応援に来てくれた方達の表情は一生忘れないぐらい最高でした。本当に幸せでした。

 



 

World Seriesにでれる環境を作ってくれた家族、世界一のマシンを作ってくれた藤江メカニック、ベルファクトリーのチーム員の皆様、応援に来てくれた方達、そしてスポンサー様本当に今年はありがとうございました。来年度はどのように活動するかは未定ですが、また世界を回るとなると活躍してみせるので応援よろしくお願いします。本当に感謝の気持ちしかないです。ありがとうございました!!

 




>
 

片野丈一郎