2 in 1  Super Tournament World cup &World Series Pro Sports GP classに参戦して参りました。2019年Pro Sports GPのWorld Seriesのチャンピオンとして絶対に防衛してやるという気持ちで挑みましたが2位という結果になってしまいました。

 

今回このコロナ渦のせいでレースに行けるのかどうかわからない状況を打破してくれた人達にはものすごく感謝しています。レースに行く前から見えない所で戦ってくれた人達がいるからこそ僕達レーサーはタイにいつもと同じレベルで入国することができました。本当にありがとうございました。

 

 

 

タイ到着後は空港でイミグレーションを通る前にコロナの陰性証明書などを提出しクリアできたらイミグレーションを通ることができチームジャパンは指定されたゲートへと行き10日間隔離されるホテルへの専用バスに乗せられ完全にシャットアウトされた状態でホテルへ向かいました。

 

 

チェックイン後は部屋から一切でることは許されず3日後のPCR検査を待ちました。PCR検査後は1日30分程度ホテル敷地内に設置された休憩所にだけ行くことができました。10日間の隔離で筋力や体力や精神力を劣らしてはいけないのでトレーナーに指導頂いたトレーニングメニューをこなし自分なりにレースに向けて精神力を高めていました。隔離をする前は隔離なんて余裕かなと思っていましたが実際にされてみると同じ空間に閉じ込められベランダから見る景色は廃墟のようなホテルだけ。そしてご飯もホテルから頂くお弁当だけっていうのは正直、隔離日数が折り返す頃病んできそうになりました。隔離期間色んなやることを持ってきたのにやる気が全くおこらずぼーと空だけを見て過ごす1日もありました。そんな中でも世界チャンピオン防衛するんだと自分に言い聞かしトレーニングをして自分を追い込んでいました。隔離は悪いことばかりではありませんでした。隔離中に自分の誕生日を迎えた日は仲間がケーキをデリバリーしてくれてチームジャパンみんなで祝ってくれました。普段思わない感謝、楽しみなどを気づけるきっかけになったのですごく人として成長できた気がします。なんだかんだと隔離12日間はあっという間に過ぎていい思い出となりました。

 

 

隔離終了後は何もかもが楽しく、ご飯もおいしく感じることができ初日は天に昇るような気持ちでいっぱいでした。しかしタイでのコロナ状況は日本よりだいぶ落ち着いていましたが隔離終了した日がタイのお正月真最中で感染者が爆発的に増えてきていたので少し不安でした。TJSBAのスタッフからも出歩かないようにとメッセージがチームジャパンにも入ってきました。レース4日前の20日の午前中に少し遅れてコンテナが到着しチームジャパンで荷下ろししました。4人分のマシンやたくさんの荷物をすごい速さでチームジャパンで荷下ろしをすることができたので午後からはマシンセッティングをすることができました。レースが始まるまでの4日間でマシンセッティング、今回のコースレイアウトでどのように走るのかと自分のセッティングを完成させレースに挑みます。レース前日にはマシンと自分共に最高のコンディションだったため最高の自身を手にすることができたので一安心しました。

 

 

レース初日わくわくの気持ちいっぱいで朝起きました。ですが昨夜食べたもので食あたりがおきてしまい朝昼はご飯抜きでレースに挑むことにしました。そんなこと今までやってきたことを考えると小さなことだったので気には止めませんでした。

グリット抽選ではアウトコースの1番大外。そしてとなりに今回のチャンピオン候補の1人である宿敵セッツーラ選手でした。同じグリットで潰せばあとは楽勝だと思ったので少し嬉しかったです。そしてレースを迎えることになりました。

 

 

 

Moto1

今回のレースから少しスタート方法が若干変更となりました。

スタートは得意な方なのでいけると思いましたが少し出遅れてスタート。アウトグリットで3番になり前にはセッツーラ選手がいました。イングリットとの合流で5番となりました。この順位では世界チャンピオンとして絶対にありえないと思い周回数が8周あるので全員抜いてやろうと闘争心を燃やしました。5周目あたりぐらいでやっと2位に上がることができ1位のセッツーラ選手まで追いつきプッシュしまくりましたが抜くことはできず2位でフィニッシュとなりました。

 

Moto2

グリットはインコースの1番イン側スタートでした。スタートタイミングはよかったのですがスピードが中速から高速に伸びるころに波を高く飛んでしまったあげく少しバランスを崩して着地してしまったのでイングリットでのホールショットは取ることはできず合流4位スタートでした。今回も2位まで上がり1位まで追いつきましたがセッツーラ選手を追っている途中テザーコードが1度抜けてしまいエンジンを始動させ走りましたが1番との距離が広がりそのまま2位フィニッシュ。

 

24日のMoto1&Moto2のトータルポイントは2位となり明日のMoto3&Moto4で取り返すと自分に約束し反省してレース前半を終了しました。

 

そして迎えたMoto3

このMotoを落とすと世界チャンピオン防衛は厳しいので全力をここでだすと決めていました。ですがレース始まる1時ほど前何か胸さわぎがしたのでスタート練習をついでにマシンチェックをしようと思い練習していたら胸騒ぎ的中のマシントラブル。メカニックに報告しレースぎりぎりまで直してもらいましたが間に合わず2019年度バージョンのサブマシンでの出場になりました。マシンチェンジの申請をメカニックにしてもらっている間にレース時間になってしまいました。オフィシャルは少し待ってくれていましたが完全に待ってはくれず自分はデットエンジンスタートでレースが始まってしまいました。当然最下位スタートでした。悔しながらも5位でフィニッシュしました。この時点で1位とのポイント差を考えると相手にMoto4でトラブルが起きない限りチャンピオン防衛の道は閉じました。

 

Moto4

メインマシンも無事直してもらうことができチャンピオンとか順位とか考えず楽しもうと思いました。

グリットはインコース側の1番大外でスタートしました。

インコース内でセッツーラ選手のお兄さんであるテラー選手と激しい走行をすることができものすごく興奮しました。テラー選手はものすごく腕があり夢のライダーの1人です。合流は5番で終始テラー選手との激闘の中3位フィニッシュとなりました。

 

 

そして総合ポイントで2位となり無事レースを終了することができました。セッツーラ選手、テラー選手率いるチームFreedomの代表からお前ものすごく速くなった。結果は2位だけど1番速かったと言って頂けました。ラップタイムも僕が1番速かったみたいでした。何かスッキリしないレースとなってしまい、日本に帰ってレポートを書いている今も悔しい気持ちが残り次は絶対勝ってやると燃えています。喜怒哀楽なレースをできたこと心から家族、メカニック、チームジャパン、ベルファクトリー、応援くださった皆様、スポンサー様に感謝申し上げます。

 

 

片野丈一郎